心豊かな時間を編む!体力に自信がない方へ贈る「編み物」のやさしい始め方
新しい趣味を見つけたいけれど、体力に自信がない、何から始めれば良いか分からない、と感じている方は少なくないでしょう。特に、外出を控えることが増えた今、自宅でじっくりと楽しめる趣味は、心豊かな時間をもたらしてくれます。
今回は、座ってゆったりと楽しめる「編み物」をご紹介します。編み物は、指先を使いながら集中力を高め、少しずつ形になっていく喜びを感じられる、体力に不安がある方にもおすすめの趣味です。この記事では、編み物の魅力から、始めるために必要なもの、具体的なステップ、そして無理なく楽しむためのアドバイスまでを詳しく解説いたします。
編み物が体力に自信がないシニアにおすすめの理由
編み物は、体力的な負担が少なく、ご自身のペースで楽しめる点が大きな魅力です。
- 座ってゆったり楽しめる 編み物は基本的に座って行う活動ですので、長時間立ち続ける必要がなく、体力への負担を最小限に抑えられます。好きな音楽を聴きながら、温かいお茶を飲みながらなど、リラックスした姿勢で楽しむことができます。
- 自宅でマイペースに 自宅にいながらにして始められ、天気や時間を気にすることなく、ご自身の好きな時に好きなだけ取り組むことができます。急な用事が入っても中断しやすく、また再開も容易です。
- 指先の運動で脳の活性化 編み針を操作し、毛糸を編んでいく作業は、指先を繊細に動かすことにつながります。この指先の運動は、脳の活性化に良い影響を与えると言われています。また、編み図を読み解いたり、目を数えたりする工程は、集中力や思考力の維持にも役立つでしょう。
- 完成時の大きな達成感 最初は何の形もなかった毛糸が、少しずつマフラーや帽子、小物へと変わっていく過程は、大きな喜びをもたらします。完成した作品を身につけたり、誰かにプレゼントしたりする喜びは、次への意欲にも繋がります。
編み物を始めるために必要なもの
編み物を始めるのに、特別な道具や高価な材料は必要ありません。ここでは、基本的な道具と費用目安をご紹介します。
1. 毛糸
- 種類: アクリル、ウール、コットンなど様々な素材があります。最初は滑りが良く、ほどきやすいアクリル毛糸や、太めのウール混の毛糸がおすすめです。
- 選び方: 作品の大きさに応じて必要な量が変わりますが、初心者の方はまず、マフラーやコースターなど小さな作品に必要な分から始めると良いでしょう。
- 費用目安: 1玉(約50g)あたり200円〜1,000円程度です。
2. 編み針
編み物には大きく分けて「棒針」と「かぎ針」の2種類があります。
- 棒針: 2本の針を使って編む方法で、セーターやマフラーなど平らなものや筒状のものを編むのに適しています。
- かぎ針: 先端がフック状になった1本の針で編む方法で、小物やレース編み、縁取りなどに使われます。
- 選び方: 挑戦したい作品によって選びますが、まずはどちらか一方、ご自身がより興味を持った方から始めてみるのがおすすめです。号数(太さ)は、毛糸のラベルに記載されている推奨号数を参考にしてください。最初は少し太めの針の方が扱いやすいかもしれません。
- 費用目安: 1組(1本)あたり300円〜1,500円程度です。素材(竹、金属など)によって価格が異なります。
3. その他あると便利なもの
- とじ針: 編み終わった糸の始末や、パーツをはぎ合わせる際に使用します。
- ハサミ: 毛糸を切る際に必要です。
- 段数マーカー: 編み目を数えやすくしたり、目印をつけたりするのに便利です。
- メジャー: 作品の寸法を測る際に使います。
- 費用目安: それぞれ数百円程度で購入できます。
全体的な初期費用目安: 初めて編み物を始める場合、毛糸、編み針、とじ針、ハサミなどを揃えても、2,000円〜5,000円程度から始めることが可能です。
具体的な始め方:最初のステップ
「編み物を始めたいけれど、何から手をつけて良いか分からない」という方もご安心ください。具体的なステップをご紹介します。
- 何を編むか決める: 最初は、マフラーやコースター、アクリルたわしなど、比較的簡単な作品から始めることをおすすめします。シンプルな形から挑戦することで、基本の編み方を無理なく習得できます。
- 基本の編み方を知る: 棒針編みであれば「作り目」「表編み」「裏編み」、かぎ針編みであれば「鎖編み」「細編み」「長編み」といった基本の編み方から習得します。これらの基本をマスターすれば、多くの作品に応用できます。
- どこで学ぶか:
- 編み物の本: 図解入りで丁寧に解説されている入門書が多く出版されています。ご自身のペースでじっくり学びたい方におすすめです。
- YouTubeなどの動画サイト: 実際の針の動きや毛糸の扱い方を視覚的に確認できるため、初心者の方には非常に分かりやすいでしょう。「棒針編み 初心者」「かぎ針編み 基礎」などのキーワードで検索してみてください。
- オンライン講座: 自宅で専門の先生から指導を受けられるオンライン講座も増えています。
- 手芸店の初心者向け教室: お近くの手芸店で、初心者向けの体験教室が開催されている場合もあります。対面で直接教えてもらえるため、疑問点をすぐに解消できます。
- 小さな作品から始める: 最初は完璧な作品を目指すのではなく、まずは基本の編み方を練習するつもりで、小さな作品から挑戦してみましょう。途中で失敗しても、ほどいてやり直せるのが編み物の良い点です。
編み物がもたらすメリット
編み物は単なる時間の過ごし方にとどまらず、心身に様々な良い影響をもたらします。
- 脳の活性化と認知機能の維持 指先を細かく動かす動作、編み図を読み解く作業、そして編み目を数える集中力は、脳に良い刺激を与え、認知機能の維持に役立つと言われています。
- 集中力向上と心の落ち着き 編み物に没頭する時間は、日々の雑念から離れ、心を落ち着かせる効果が期待できます。瞑想のような集中状態に入ることで、ストレスの軽減にも繋がると考えられています。
- 達成感と自己肯定感の向上 ご自身の指先から一つの作品が生まれることは、大きな達成感と自信をもたらします。誰かのために編んだ作品が喜ばれることで、自己肯定感も高まるでしょう。
- 緩やかな交流のきっかけ 作品について語り合ったり、編み物の情報交換をしたりすることで、同じ趣味を持つ人との緩やかな交流が生まれることがあります。手芸店やワークショップ、オンラインコミュニティなどを通じて、新しい出会いが生まれるかもしれません。
安全に無理なく続けるためのアドバイス
楽しく編み物を続けるためには、無理のない範囲で取り組むことが大切です。
- 休憩をこまめにとる 長時間同じ姿勢で編み物を続けると、肩や首、目などに負担がかかることがあります。30分〜1時間に一度は休憩を取り、軽いストレッチや目の休息を心がけてください。
- 照明を明るくする 細かい作業ですので、手元を明るく照らすことで、目の負担を減らし、正確に編み進めることができます。
- 自分に合ったペースで楽しむ 焦って早く完成させようとする必要はありません。体調と相談しながら、ご自身の心地よいペースでゆっくりと取り組むことが、長く楽しむ秘訣です。
- 完璧を目指しすぎない 初めてのうちは、編み目が不揃いになったり、間違いがあったりすることもあるでしょう。しかし、それも手作りの温かみです。完璧を目指しすぎず、「できた」という喜びを大切にしてください。
まとめ
体力に自信がない方でも、自宅で安心して始められる「編み物」は、心豊かな時間をもたらしてくれる素晴らしい趣味です。指先を動かすことで脳を活性化させ、集中力を高め、そして何よりも、ご自身の手で一つの作品を完成させる喜びは、きっと日々の生活に彩りを添えてくれるでしょう。
今日からあなたも、毛糸と針を手に、心豊かな時間を編み始めてみませんか。